8月2日の演奏会に、評論家の方が何人か見えてました。
関西圏で毎日のようにコンサートがあまたある中、こうやって評論家の方の注目を頂いたというのは、我々にとっては本当にありがたいことです。
そしてその中のお一人、出谷さんが自身のページにクリティックを載せておられたので、ご紹介します。
名前など少々間違っていますが、そのまま掲載致します。
芸術の評論というのは、主観がかなり反映されるので本当に難しいと思います。
しかも美術作品の場合は作品そのものが残りますが、演奏はその場限りのもの。
演奏会の場にいなかった方が評論を読まれると、それが評価基準になってしまいます。
今回のクリティック、お読みになって色々感じられるかもしれませんが、コンサートに来て下さった方は、どうぞご自分の感じたままでいらしてくださいね。
アフター・アワーズ・セッションとは、本来はジャズ用語で、本番のステージを終えた後、気の合った者同士が即興演奏に興じることである。つまりリラックスした室内楽演奏を目指す、室内楽のグループということになろうか。今回はその結成15周年の記念で、ロマン派から近代現代へかけての名曲3曲
が演奏された。プーランクの六重奏曲、ショスタコーヴィチのピアノ五重奏曲、それにシュポーアの九重奏曲といったラインナップだったが、出演は右近恭子の ピアノ、プーランクでは植田恵子(フルート)、大島弥洲夫(オーボエ)、松原央樹(クラリネット)、東口泰之(ファゴット)、世古宗優(ホルン)、ショス
タコーヴィチではギオルギ・バブアゼ(ヴァイオリン)、日比浩一(ヴァイオリン)、三木香奈(ヴィオラ)、池村桂子(チェロ)、そしてシュポーアではバブアゼと右近が抜けて、瀬戸由布子が加わっていた。
それぞれ関西を中心に活動する、中堅から若手の演奏家ばかりで、その技術的な水準は結構高く、心意気を感じさせる快演に終始していたといえる。中では ショスタコーヴィチが、ピアノと弦楽四重奏とのバランスも良く、最もまとまりのある安定した表現になっていた。音楽的なリーダーシップは、プーランクも含
めてピアノの右近がとっていたようだが、これはグループの行き方としては、適切だったといえるだろう。アンサンブルのかなめになる、コアのような役割を彼 女が果たしていたからである。ただしプーランクでは管楽器のパートが強過ぎて、ピアノとのバランスが微妙に崩れがちなのが耳についた。だが全体に音楽する
喜びに溢れた、室内楽本来の楽しみを感じさせる、積極果敢な表現力が魅力であった。シュポーアは編成が大きい割には、ディヴェルティメント的な性格が強
く、終楽章のギャロップのようなリズムの弾みなど、彼らの若々しいアンサンブルが、聴く者を十分に楽しませてくれた。15年という年月の経過を噛みしめて、次のステップに向けてさらなる研鑚を重ねて行って欲しいものである。(8月2日・ザ・フェニックスホール)
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